茎の状態とハバキ製作について

職人への一問

手持ちの古い太刀に拵を着せようと他店に依頼しましたが、茎の状態が悪くハバキが製作ができないと断られました。
茎を仕立て直せばハバキの製作が可能とのことでしたが、とても承諾できません。
貴店にて、刀の状態に手を加えないままハバキを含む拵一式の製作はできないでしょうか。

職人の一答

御刀を拝見していないので推測での回答となります。

お手持ちの太刀は、恐らく研ぎ減り等により茎の形状が変化してしまっているのではないでしょうか。
日本刀の茎は区(まち)が最も太い姿が本来です。
つまり茎は、区から茎尻に向かって緩やかなテーパ状となっています。

ハバキは、この最も厚く太い区に装着されます。
区の刃棟が茎の最大寸法ですから、その寸法にぴったり収まるように製作されます。

ですから、もし区が最大寸法ではなく茎の途中がそうであった場合、ハバキがその最大寸法の箇所で止まってしまい本来の位置に装着することができなくなります。
また仮に茎の最大寸法に合わせてハバキを製作しますと、本来の位置に装着した際にガタが生じ、刀を傷める原因となります。

このような理由から、拵製作不可の判断となったのではと推測致します。
もし御刀が上記のような状態でしたら、残念ながら当店でもやはり同様の回答となります。

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