鞘塗料金の違いについて

職人への一問

鞘塗料金に大きな違いがあるのは何故でしょうか。

例えば貴店模擬刀販売サイトでの黒呂塗は価格差のない提供ですが、こちらのサイト(日本刀諸工作)では黒呂塗そのものに料金が設定されています。料金に見合う明確な違いがあるのでしょうか。

職人の一答

鞘塗の品質は、塗りを施す鞘木地の品質によって異なります。
真剣鞘(本職人が刀身合わせで製作した鞘)に鞘塗を行う場合、模擬刀向け鞘の鞘塗と比較すると大きく3点の違いがあります。

  1. 用いる塗料の品質
  2. 塗りの工程数
  3. 特定部位の仕上げ

まず、鞘塗に用いる塗料の品質が違います。
基本的には現代塗料を用いて鞘塗を行いますが、その塗料にも等級のようなものが存在します。
この等級が真剣鞘と模擬刀向け鞘では違うため、原価そのものが異なります。

次に塗りを行う工程数が違います。
ごく専門的な話になってしまうので詳細は避けますが、完成までの工程数が全く異なります。
例えば呂塗の場合、研出を行う回数や品質が違います。
また石目塗では、真剣鞘の場合は呂塗の下地をまずつくり、その上に石目を施していきます。
このように完成までに掛かる手間が全く異なっています。

特定部位の仕上げについては、厳密には工程数の違いに含まれるものです。
鞘塗を行うと、どうしても角が丸くなってしまいますので、本来角が立つべき箇所(栗形や返角)は手作業で仕上げを行い、角を立たせます。

このように、外観ではなかなか判断しづらいところで苦労をしています。
その分、塗りとしての強度は高くなりますし、美しく仕上がります。